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第73話 怖いのはあなたじゃない

Auteur: 酔夫人
last update Date de publication: 2026-06-19 11:00:29

 『君を堕とすのが俺の目標だからだ』

光也の言葉に、実花は言葉を、思考さえも奪われた。

(なにを……)

言っているのだろう。

この人は。

あまりにも自然に、さらりと言った。

呼吸をするように。

自分の言葉が持つ破壊力を理解していないかのように。

言葉はまだ失われたままだが、感情が戻ってきて心臓がドクリと大きく跳ねる。

痛いほど心が揺れて、痛みが前の生を思い出させる。

東国光也は、多くの女性の憧れだった。

SNS上では彼の名前とハートマークは必ずセットで、彼への賛辞は何度も読んだ。

光也と一夜を共にしたという女性は羨望の対象だった。

当時の実花も、彼が魅力的な男性であることは分かっていた。

容姿とか、社会的地位の高さとか、資産や将来性とか、そういう魅力なのだと思っていた。

でも、それは違うのだと今なら分かる。

正確にはそれらは東国光也の魅力の一部で、キッカケでし

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